2009年02月27日

東07 カ・ノーリ [東京・恵比寿] 

この日の宿、ウエスティンホテル東京の正面エントランスから
小学校と日仏会館に挟まれた坂道の大通りを下って7~8分。

一歩路地を入ると「○○商店街」と大書きされた昭和なアーチ状看板や
銭湯のド派手なのれんが揺れているのなんか、下町そのもの。

高級イメージのある恵比寿といっても、意外と昔ながらの暮らしは残っているみたい。

街灯と自動販売機の青白い灯りだけでぼんやりと照らされている十字路の先に
ぽつんと佇んでる緑の外観。

■CA NORI  カ・ノーリ [イタリア料理]  
東京都渋谷区恵比寿1-33-8
03-3443-3780



オープンカフェかケーキ店のような可愛らしさ。

店内はカウンター4席、二人掛けのテーブル席4つの12席とかなりこじんまり。
テラコッタ風の床に木の椅子とテーブル、壁には手書きの黒板メニュー。

コートは自分でハンガーに。
とってもシンプルで、飾らない空間。

でもかけられたクロスは厚手で折り目もなくぴしっと、カトラリーレストも
使い込んではあるけどナイフもフォークもぴたっと置ける納まりのいいもの。



スタッフはキッチンとホールに一人づつ、
若い男性二人だけ。

店の人から見られている感じがしなくて、これはこれでリラックスできそう♪

はじめてのお店はコースでお願いしたいところだけど、ここのメニューはアラカルトのみ。
前菜、パスタ、メイン、デザートがそれぞれ5~10種類。
イタリア料理で全品自分でチョイスするのって、かなり久しぶりかも。

メインはA氏希望の短角牛ステーキと決めていたので、これに前菜とパスタをひとつづつ。
あとは気分で追加しようかな♪

ささっ、自家製ジンジャーエールとスプマンテで乾杯!



ジンジャーエール、しょうが絞りました~感のあるピリ辛さ。
キリリとフレッシュな風味がおいしい♪

自家製パンは全粒粉ロールとフォカッチャ。
フォカッチャは塩気とオリーブオイルがすごく効いてる!

ここまではっきり塩&オイルを感じたフォカッチャ、はじめてかも。
でもね、これがおいしい。お酒がすすむおいしさ。。



あー、なんで赤ワインにしなかったんだろ。。

全粒粉ロールも底がパリっと、伸びた中が柔らかくしっとりと。
甘みではなくきちんと小麦の香ばしさと風味が出ている。
わー、期待大だなぁ~ぁぁ♪

やってきました、前菜盛合せ。



オートミールっぽいリゾットやトリッパの煮込みなど。特に料理の説明はないみたい。
生ハムがけっこう厚切り。
だからとろける感じはしないけど、肉らしい旨みがある。

…知らぬ間にテーブル席はいっぱい。

バースデイを祝っている20代後半のカップル、
会社帰りに待ち合わせしたらしい50代のご夫婦、
お互い企業の経営者らしい40代男性と30代女性の二人連れ。

席の間が身体を横にしないとすり抜けられないほど狭く、BGMも流れていないので
自分たちの会話が途切れる度、どうしても周囲の会話が耳に入ってきてしまう。

でもこれも東京らしさのひとつだよね。
店の狭さは承知の上、でもどうしてもここの料理を相手に食べさせたくて誘って来ている、
…感じがしたから(笑)

どのテーブルもどんどんワインを追加。
そうだよね、この味ならワインおいしいよ。
ネルもお酒が強ければ、もっと楽しみ広がるのになぁぁ。

続いてパスタ、「ガルガネッリ・仔牛肉のボローニャ ラグー」。
ギザギザで丸まったショートパスタ、ガルガネッリはシェフの手打ち。



すごく噛み応えがあって、芯が残りそうで残らない限界の硬さに茹で上がってる。
むちむちっというよりは、もりもりっと噛み戻されるぐらい(笑)

ボローニャはイタリアの地方、ラグーはいわゆる挽肉。
またこれが丁寧に包丁で刻んだような、もりもりとした大粒ビーフで。

じっくり柔らかく煮込まれたすねや肩肉の繊維がホロホロと崩れて
しっかり粒コショウが効いた後からシンプルな牛肉の風味が追いかけてくる。

肉を攻略しながらパスタを食べ、また肉を口に運んで…。
肉とパスタは対等か、どっちかというと肉の方が存在感あるような。。

そうこうしてるうちに
「短角牛のリブロース 炭火焼」
ハイ、どおぉーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!



アハ、思わず笑っちゃった
このド迫力!
片手を思い切り広げたぐらい、大きいヨ…

う~ん、厚さもなかなか、
重さを尋ねると「だいたい350gです」とホールのお兄さん。
A氏の顔、ウレシさのあまり崩れてる(笑)。

この店はメインに魚はなくて肉のみで勝負。
他に選べるのは 白金豚Tボーン、骨付き仔羊ロース、骨付き伊達鶏。
白金豚も食べたかったけど、コレにしてよかった~

いよいよデス、短角牛♪
サシの脂肪ではなく赤身のおいしさで近年注目の国産牛らしい。
そうそう、ネルは伊豆牛以来赤身好き~って、短角牛ってどんなのかな?



塊肉を炭火でじっくり焙っているから外はカリっ、中はふんわり柔らかなピンク。
すっすっとナイフが入っていく。

噛みしめてすりつぶして、じんわり旨みが広がってくる。
レモンを絞って、もう一口。
ウハー、肉デス肉ゥ~♪

サシたっぷりの高級和牛の甘い、とろける、柔らかい…とは全くちがう、赤身肉の世界。
でも外国産牛のようなイヤな後味やアクはない。
肉汁も不必要に出てこない。身がつまってる。

外側に少しだけついた脂身を適量すくって一緒に食べると
ふんわりフルーティーな脂の甘さがまた赤身を引き立ててくれる。

これは間違いなく重め赤ワインだったーー。。
ハァァ。。

そして別注文した、付け合せの炭火焼の筍。
穂先にすっと、真ん中も同じく繊維を断ってするりとナイフが入る。新鮮なんだと思う。

食べようとしたら鼻先に花の香がふわぁ~~
オリーブオイルの香り?筍の香り?ナンダなんだ??

食べたらナゼか、トウモロコシの甘さ♪
わぁぁぁ、おいしいなあ~。。。


うーーん、すごいなあぁ
やっぱり東京だとこういう指向性のはっきりした店があって、きちんと支持されるのだ。

食べ疲れる寸前の噛み応え、しょっぱい寸前の塩と胡椒とオイル。
でもきちんとバランスがとれていて、ひとくちまたひとくちと食べたくなる。
自分が今何を噛んで食べてるのか、直球で実体を感じられる料理。

筍のおいしさに釣られて、有機野菜を使った「炭火焼 野菜盛合せ」を追加。



赤パプリカ、ジャガイモ、サトイモ、ズッキーニ、筍、かぼちゃ、ナス…
わっ、このボリューム。メインの前に頼むべきだったか。。

炭火焼といってもほとんど揚げ焼きに近い位、オリーブオイルがまぶされてる。
ナスの皮は揚げ物位完全にパリッと。
オリーブオイルに浸しながら焼いてるのだろうか。

ズッキーニもこんな風にして食べたのはじめてだけど、おいしい♪
元の野菜がしっかりしてるのだろうけど、最近流行のヘンに甘い野菜じゃないとこがいい。

もう少しお腹に余裕があればパスタもう一品と赤ワインも頼みたかったなぁ。

店の雰囲気からすればやや高くも感じるけど、その分客層も落ち着いて
食を楽しみたい大人が集まるの空間であることは見逃せないはず。

ワインの値段はたしかグラス700円~、ボトルも3000円代~と良心的。
レベルの高い味なのに、気取らずカジュアルに
アラカルトで好きな料理だけたっぷり食べられる。

東京って、やっぱり深いな。。

<今日のお会計>
11700円・2名・サなし/コペルト500円×2、前菜盛合わせ1850円
               ガルガネッリ・仔牛肉のボローニャ ラグー1700円
               炭火焼・短角牛リブロース4100円、付け合わせ筍350円
               炭火焼・野菜盛合わせ1500円
               自家製ジンジャーエール500円、スプマンテ700円

<店を出て>
ネル:★★★☆☆/質実剛健、気取らず男らしい贅沢
    カップルでも男同士でも、食の好みを分かった相手と訪問すると最高に楽しめそう。
    体調万全でオイルや香辛料の濃さもガンガン豪快にワインと肉料理を味わいたい。
    お手頃とはいえないけれど、恵比寿に行くときあればまた行ってみたい。    
  
A氏:★★★★☆/アハッ、ウマイ♪
    店の人に構われないし、カウンターもあるし。男一人でも行ける雰囲気。
    肉メインでおいしかったし、内容からしたらパスタもステーキも高くないと思う。
    味が濃いのも俺は良かった。気に入ったよ~  

2009年02月10日

063 とらや工房 [御殿場]

御殿場プレミアムアウトレットの帰りに、とらや♪

といっても御殿場ICすぐの「虎屋菓寮」じゃなくて、アウトレットに向かう脇道をふっと
曲がった先の、竹林に囲まれた別荘地の一角にある「とらや工房」へ。


■とらや工房 [和菓子・喫茶]
 御殿場市東山1022-1
 0550-81-2233

「とらや」の創業はナント室町時代(約480年前!)、日本でも指折りの和菓子の老舗。
と思えばヒルズやミッドタウンに出店したり、2009年日本パッケージデザイン大賞を受賞
したりと、何かと伝統&和モダン、デザイン&コンセプトにも力を入れているらしい。



萱葺の山門をくぐり、竹林の散策路をゆっくりと進んでいくと東屋が。
その先にゆったりとカーブした切妻屋根の平屋が見えてくる。



池を中心に配した丸い庭を囲むように弧を描く、和のモダニズムな建物。



回廊の天井の白木の梁は等間隔に美しく並び、透明なアクリルの屋根からは
さんさんと午後の日差しが降ってくる。

ガラス張りの製造工房を横目に見ながら進んだ先が販売所。

とにかく店内はどこを見回しても凛とした木の空間。
カウンターの上には白い木枠とガラスでできたケースが幾つか。

どら焼き、きんつば、大福、ねりきり…身近なおやつ的和菓子が数種類。
月替りの生菓子はすでに売り切れ。
他にも空になってるケースがちらほら。

テイクアウトの和菓子はどれも250円、お茶付きのイートインなら500円になるという。
接客してくれる女性たちは皆テキパキと笑顔。要領を得た答え方。

小豆好きなネルは「赤飯大福」と「きんつば」。
A氏はとろろ麦めしの軽食で。



注文を終えたらガラスのドアから隣の喫茶スペースに移動。

前後が開放された吹き抜けスペースと、
本物の薪ストーブが置かれた室内との2フロアに区分されていて
置いてある椅子やテーブルも微妙に違う。



天気もいいし、ネルたちは庭全体が見渡せる吹き抜けの席へ。

喫茶スペースもこれまた床から壁、天井まで端正で美しい木目の木が存分に使われ、
思わず深呼吸したくなるような清浄な空間。

曲げわっぱのような品のいい小判形の盆に載せられて
お菓子とお茶がやってくる。

「お茶のおかわりお申し付けくださいね」とスタッフさんがにっこり。



小ぶりな「赤飯大福」。
土日祝限定のお菓子だそう。

ごく薄くてよく伸びる皮は小豆の渋でモチ米を染めて作ったそう。

保存料など不使用のせいか、すでに上部の皮は乾いて固くなりはじめている。
中の小倉餡は案外あっさり。
お腹すいてるから味覚は敏感になってるはずなんだけど…。

続いて「きんつば」。
あらっ、こっちも…普通だなぁ。

こういう味にしたかったって方向性がどうも伝わってこないというか。
この薄さ加減がとらやの持ち味なんだろうか。
うーん、上品といえば上品…。



A氏の軽食をちょっといただくと、けんちん汁がうーん、おいしい!
丁寧にとられたダシがすごくまろやか。
塗りの器もステキだし。



同じくお腹がすいてたA氏、どうにも物足りなくて「どら焼き」追加(笑)。
富士山をかぶった“と”の焼印がとってもキュート♪
皮はしっとりよりはさっくりして、端に溜まった蜜が濃くっておいしい。

お茶のお替りをいただいた後は、敷地内をふらっと散歩。



工房の前の椅子で籠に入ったシイタケが干されてた。
あー、あのけんちん汁とか、こういう素材を使ってるのかなぁ。



通りかかるスタッフさんは何度も「お茶のおかわりいかがですか」と声をかけてくれる。
その自然な感じについ「あっ、じゃあもう一杯…」なんてまた腰を落ち着けてしまって。

冬枯れの庭を眺めながら、静謐な空間でゆったりと。



庭の梅がもうすぐ咲きそう。
その頃また来ようかな。。


<今日のお会計>
1850円・2名・イートイン/お茶付き和菓子500円+菓子1個追加250円
                 軽食850円+どらやき1個追加250円

<店を出て>
ネル:★★☆☆☆/静寂の中でいただく伝統の和菓子
   美術館のような空間構成とその居心地を味わう場所。菓子がやや力不足で主役に
   なりきれてないのが残念だけど、アウトレットの喧騒から離れてほっとするには最適。
   色んな意味で東京的で、建築好き・和モダン好きの人ならもっと楽しめそう。
  
A氏:★★★☆☆/こっちのとらや、知らなかったー
   なんか小さいのに高いな。でもこの雰囲気なら場所代だよね。手頃な価格帯にして
   人が集まっちゃうのも困るんだろうし。とろろ麦めしもけんちん汁もおいしかったよ。
   どら焼き小さかったけどおいしい。
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